コア素材・コア技術編
artienceは、1896年の創業以来
コア素材と独自のコア技術を組み合わせて
事業領域を拡げてきました。
これらの素材と技術を
すべてグループ内に保有することが、
私たちの強みです。
ここでは、コア素材とコア技術について
ご紹介します。
artienceのコア素材

みなさんは顔料と樹脂についてご存知でしょうか。簡単に言うと顔料は「色をつける」素材、樹脂は「機能をつける」素材です。ではここから、顔料と樹脂について、もう少し説明していきます。

身の回りのあらゆる物を
色鮮やかにする色材
私たちの身の回りには、美しい色を帯びているものがたくさんあります。自然にある植物や動物のほか、色鮮やかな布や紙、器、建物といった人工物が、生活を美しく彩っています。これらの人工物の着色に用いられているのが「色材」です。
色材とは、文字通り「色の原料」のことで、大きく「染料」と「顔料」の2つに分けられます。いずれも色を帯びた粉末ですが、染料は水や油に溶け、布や紙などの繊維の間にしみこんで染める性質をもっています。一方で、顔料は水や油に溶けず、バインダー(樹脂)を加えて面に塗ることで色が着くといった大きな性質の違いがあります。



現代の産業や生活に欠かせない
新たな可能性を秘めた原料
樹脂とは、もともとは植物から分泌される樹液などの物質を表す言葉です。現在では、植物から採取した成分で作られる樹脂を「天然樹脂」、人工で化学的に作られる樹脂を「合成樹脂」と区分けされ、海外では動物や鉱物に由来する樹脂も「天然樹脂」として扱うこともあります。
JISにより樹脂は「プラスチックの原料」として定義されていますが、プラスチックの必須構成成分の1つが「ポリマー」です。工業的には合成樹脂とポリマーはほぼ同じものとして扱われますが、厳密には天然樹脂もポリマーです。そのため、ポリマーは天然高分子(天然樹脂)と合成高分子(合成樹脂)にわけられる、ともいえます。
artienceでは、樹脂(ポリマー)を素に、時代のニーズに合わせた様々な製品を生み出しています。合成や塗加工の技術を生かし、自動車やエレクトロ二クス、太陽電池などのエネルギー分野の他、メディカル・ヘルスケア分野など日々の生活に欠かせない用途に数多くの機能性製品が採用されています。


artienceのコア技術


色材設計技術
当社グループの原点の一つである有機顔料の合成技術を用いて、可視光だけでなく紫外・近赤外領域を含めた波長制御が可能な素材の開発を行っています。
さらに、ポリマー設計技術や分散技術、塗加工技術を組み合わせて材料の屈折率や膜構造を設計することで、光の透過、吸収、反射、拡散を任意に制御し、材料の耐久性向上やエネルギーの利用効率向上を可能とする技術に取り組んでいます。

ポリマー設計技術
当社グループ製品の多くに「モノマーを重合してポリマーにする」技術が使われています。分子量やガラス転移温度、分岐、官能基数などの一次構造のデザイン、さらに粒子状のポリマーであればその二次構造のデザインを行うことで、最終的にポリマーが膜を形成した時の性能(例えば、接着性、架橋密度、伸び、屈折率、誘電率など)を高いレベルで達成します。新しい合成法や加工法、解析法にも積極的に取り組み、様々なポリマー設計技術を駆使して社会課題やお客様のニーズに応えます。

分散技術
分散とは、1個あたりの大きさが数μm~数nmの微細な粒子(フィラー)を、液体や固体中(分散媒体)に均一にバラバラに分布させることです。当社グループは、フィラーや分散媒体に合わせて特殊な分散剤や分散樹脂(ポリマー)を設計し、目的に合わせた任意の粒子径の分散体を作製する技術を保有しています。さらに、成膜時にフィラーが理想的な状態となるよう分散度をコントロールしたり、粒子を極限まで細かく分散することで、フィラーがもつ機能を最大限引き出す様々な製品を展開しています。

塗加工技術
基材に製膜するだけでなく、ポリマーを膜にするキャスティング技術、異物・欠点管理、膜厚のコントロール、パターニング塗工、ドライエッヂ加工、機能層の積層・多層化などが可能な精密塗加工技術を保有しています。当社グループが持つポリマー設計技術・分散技術に、塗加工技術を組み合わせることで、シートの機能を最大限に引き出します。粘着テープ製品を中心に、生活用品から先端エレクトロニクス材料、医薬品まで幅広く展開しています。

解析・MI技術
当社グループでは、開発課題や製品の品質トラブルに対して、様々な解析手法と豊富なノウハウを駆使し、迅速に原因を究明、短期間での課題解決を行っています。特に、多くの当社製品の機能発現の鍵となっているナノレベルの微細な構造制御に関しては、最新の設備と最適な条件で試料を処理する独自技術により、製品開発を強力に支援しています。
さらに、蓄積した実験データや論文データを解析し、素材探索や物性予測を行うことで製品開発のスピードを向上するデータ駆動型開発(マテリアルズインフォマティクス)や、自社素材や技術を活用したセンサデバイスおよびそのデータを起点とした新規サービスの開発に取り組んでいます。
コア素材・コア技術を活用して
artienceが
何を生み出しているのか
もっと知りたい方は
「応用編」をご覧ください。