artienceのプロダクトは コア素材である顔料と樹脂に、様々な技術を掛け合わせ生み出されています。 それぞれどのように派生しているのかご紹介します。
顔料編
樹脂編
product history | 樹脂編
顔料
私たちの身の回りには、美しい色を帯びているものがたくさんあります。その着色に用いられているのが「色材」です。色材の内、「顔料」は水や油に溶けず、バインダー(樹脂)等を加えて面に塗ることで色が定着します。
着色剤
本来無色(乳白色)に近い色のプラスチック(樹脂)に顔料などの色材を加えることで、様々な色彩のプラスチック製品がつくられています。 プラスチックに着色する方法は、大きく「外部着色」と「内部着色」の2つがあります。内部着色は、プラスチックの中に色材を練りこんで着色します。プラスチックと色材を混ぜ合わせるため、中まで均一に色づけされます。この内部着色に用いる色材を総称して、「着色剤」と呼びます。
顔料分散体
顔料は粉体(微粒子)の形をした色材であり、染料とは異なり、水や油などに溶けない(分子レベルで混ざらない)性質を持っています。そのため印刷インキや塗料、着色プラスチックなどのアプリケーションに加工する際には、顔料粒子を固形または液状の樹脂(バインダー)に均一に混合し、馴染ませなければなりません。また、時間が経って沈殿したり、粒子が凝集してダマになったりしないよう、安定な状態に保持させる必要があります。 あらかじめ顔料粒子を高濃度で樹脂や液体に分散させたものが「顔料分散体」になります。
グラビアインキ
凹版印刷の一種「グラビア印刷」で用いられるインキで、食品や生活関連雑貨、医薬袋などの梱包全般、パソコン・携帯電話などの工業製品部材をはじめ、幅広い用途に使われています。環境にやさしいインキや、鮮度保持や帯電防止など様々な機能を付加したパッケージ、意匠性を高め視覚・触覚に訴える印刷など、様々なニーズに沿って進化を続けています。
オフセットインキ
オフセット印刷で使われるインキのことです。オフセット印刷は、水と油の反発特性を利用した印刷方法で、版に付着させたインキを用紙へ転移して印刷します。本や新聞など、様々な種類の紙に対して、写真・文字をより美しく、スピーディに表現することができます。環境調和型製品や高機能のUVインキなど多様な製品を開発しています。
記録材塗料
データストレージ用磁気テープに使用する磁性インキです。磁気テープとは、テープ状の記憶媒体のことで、テープに磁性体を塗布して磁化の変化によって情報を記録します。特徴としては、他の記録媒体に比べて故障しにくく、データの長期保存に向いているという点から昨今注目を集めています。
液晶ディスプレイ用カラーフィルタ用材料
薄型テレビやパソコン、スマートフォンなどに使用されているカラーフィルタは、FPD(フラットパネルディスプレイ)の色再現の要となる構成部品です。近年では液晶だけでなく、電子ペーパーや有機ELなど、様々なパネルアプリケーションに用いられています。artienceグループが印刷インキや塗料の開発で培った「ナノレベルの分散加工技術」が生かされたカラーフィルタ材料はディスプレイの高機能化や性能向上に貢献しています。
インクジェットインキ
複合機や一般コンシュマー用印刷機を起点に、インクジェット印刷はテキスタイルや建材・壁紙、パッケージなど様々な用途に広がっています。インクジェット用インキにおいて「吐出性能と印刷の一貫性」「最終的なインキ性能」を高めるためには顔料の分散化は非常に重要です。artienceは長年培ってきた顔料の高度な分散化技術により、微小な粒子サイズで顔料を精密に分散させて各粒子の分離を保つことで、インキ全体のパフォーマンスを高めています。
機能性分散体
機能性材料とは、光学、電気伝導性、熱伝導性などの物理的・化学的な性質をもち、様々な機能を発現させる材料のことで、私たちの身の回りにある多くの製品に使用されています。スマートフォンやタブレット端末などは、画面をより明るく、鮮やかにしたり、接触の感度を高めたりするために、ディスプレイの内部や表面に機能性材料が用いられています。また、品質を長く保つため水蒸気や酸素を遮断する食品パッケージのフィルムや、人体に有害な紫外線をカットするフィルム、本来電気を通さない樹脂製品に導電機能を付与し、金属代替物として軽量化に貢献するなど、あらゆる製品の機能性を向上させ、付加価値を高めるために欠かせない材料となっています。
センサー用材料
イメージセンサーは、レンズから入った光を電気信号に変換する半導体です。カラーフィルタは、FPDだけでなく、スマートフォンやデジタルカメラに組み込まれているイメージセンサーの中にも使われています。人間の眼でいうところの網膜に相当する部分で、その性能が写真の画質を大きく左右します。カメラの小型化、高性能化にともない、イメージセンサーに使用されるカラーフィルタも、より小型で、高解像度のものが求められています。ナノ分散技術により小型化に貢献するとともに、可視光以外の様々な波長の光をセンシングできる色材をつくることで、車載カメラのナイトビジョンなど特殊な用途のセンサーにも応用展開していきます。