加飾フィルム用PP強接着・高耐久粘着剤

自動車外装部品にはPP(ポリプロピレン)樹脂が多く使用されるため接着性向上が急務でしたが、従来の粘着剤ではPP等のオレフィン素材への接着性に課題がありました。
今回トーヨーケムではPP部材に対する「強接着性」と自動車スペックに耐えうる「高耐久性」を実現する粘着剤を開発しましたのでご紹介いたします。
加飾フィルムの特徴や粘着剤の役割については下記のページをご確認ください。
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トーヨーケムでは、加飾フィルムにご使用いただけるPP用粘着剤として、以下の2製品を取り扱っています。
いずれも強い接着力や高い保持力を有しますが、開発品Aはより貼り直しが容易なタイプ、開発品Bはより耐久性、耐熱性に優れるタイプとして展開しています。
製品名 | 成形方法 | 樹脂系 | 特徴 |
---|---|---|---|
開発品A | OM-D(TOM成形) | エラストマー | PP強接着、高保持力、耐熱性、低タック |
開発品B | OM-D(TOM成形) | アクリル | PP強接着、耐熱性、アウトガス耐性 |
製品の特長
強力な接着力
加飾フィルムは様々な素材に適用されるため、粘着剤も多様な素材に対応できる必要があります。例えば、接着が難しいとされるPPやガラスなどにも適用可能な粘着剤が要求されています。
当社の粘着剤は、PP、SUSに対して強力な粘着力を発揮します。
製品名 | 粘着力(N/25mm)※ | ||
---|---|---|---|
PP 23℃ |
PP 80℃ |
SUS 23℃ |
|
開発品A | 36.2 | 31.3 CF | 35.5 |
開発品B | 28.6 | 17.4 CF | 28.1 |
- 構成:PP or SUS/ PSA 50μm / PET50μm基材
貼り直しが容易な低プローブタック
初期の粘着力が比較的弱いため、最初に貼り付けた後でも簡単に剥がしたり、位置を調整したりすることが可能です。
製品名 | プローブタック(N) |
---|---|
開発品A | 0.03 |
開発品B | 0.74 |
200%延伸後も粘着力を発揮する加工性
3次元形状の製品にも加飾フィルムを適用する場合があり、このような複雑な形状にも対応できる粘着剤が要求されています。
トーヨーケムの粘着剤は、80℃の環境で200%伸ばした後でもPPに対してしっかりくっついている加工性を有しています。
製品名 | 200%延伸後粘着力(N/25mm)※ |
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開発品A | 23.5 CF |
開発品B | 17.2 CF |
- TOM成形後粘着力:130℃-0.3Mpa-10sec
- 剥離条件:180度ピール, 300mm/min

実物写真

成形方法
長期間安定した接着力を発揮する耐久性
耐久性の高い粘着剤は、長期間にわたって安定した接着力を維持します。これにより、加飾フィルムが製品表面から剥がれたり、浮いたりすることを防ぎ、製品の外観品質を長期間保つことができます。
当社の粘着剤は、40℃の温水に付けた後の粘着力や80℃の環境での粘着力を維持する耐久性を有しています。

40℃温水経時後の粘着力

80℃経時後の粘着力
高い耐熱性
加飾フィルムは様々な製品の表面に使用されますが、特に自動車内装や電子機器など高温にさらされる可能性のある場所では、粘着剤の耐熱性が製品の耐久性に直結します。
また、耐熱性の高い粘着剤を使用することで、高温環境下でもフィルムが剥がれたり、浮いたりすることを防ぎます。これにより、製品の外観品質と機能性を長期間維持することができます。
当社の粘着剤は、80℃の環境で1Kgの重りを付けた後も強くくっついている耐熱性を有しています。
製品名 | 保持力(80℃-1kg-70000s) | 定荷重(80℃-100g-24h) |
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開発品A | 1.5mm | 8mm |
開発品B | NC | 55mm |
当社標準品 | 7500秒落下 | 54000秒落下 |
- 構成:PP/ PSA 50μm / PET50μm基材
- TOM成形後粘着力:130℃-0.3Mpa-10sec
- 貼り合わせ面積:25mm×25mm(保持力)、25mm×100mm(定荷重)

保持力試験

定荷重試験
想定される用途
自動車・その他工業製品における部材や表皮材の接合・貼り合わせ
お問い合わせ
トーヨーケム株式会社 包装・工業材営業本部 営業1部
TEL:03-3272-0940