製品・ソリューション

高感度イメージング用近赤外蛍光試薬

Sciforiem® FI シリーズ

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  • 本品は「研究用試薬」です。医薬品・診断用医薬品、食品等の用途(目的を問わず人体への投与を含む)には使用できません。

医療技術の高度化に伴い、バイオイメージングや定量分析技術が進化する中、細胞の長期観察や三次元観察、in vivoイメージング、さらにはリポソームやLNP等の脂質ナノ粒子の観察・定量化のニーズが高まっています。
artience株式会社は、当社グループの強みである色材技術を応用した細胞染色用試薬Sciforiem® FI 7500、および、脂質ナノ粒子染色用試薬Sciforiem® FI 7510を展開しています。

Sciforiem® FIシリーズ アプリケーション例
スフェロイドイメージング(表面・断面)、in vivo イメージング(皮下移植、腫瘍形成)

細胞染色用試薬
Sciforiem® FI 7500

プロトコルダウンロード
各種膜成分において確実に染色が可能、POPCリポソーム、POPC:POPS=1:1リポソーム、POPC:DOTMA=1:1リポソーム、POPC:colesterol=3:2リポソーム

脂質ナノ粒子染色用試薬
Sciforiem® FI 7510

プロトコルダウンロード

細胞染色用試薬Sciforiem® FI 7500

Sciforiem® FI 7500は、高い蛍光強度や長期間観察を可能にする化学的安定性など、従来の蛍光試薬が抱えていた多くの課題を解決します。

製品の特長

  • 高い蛍光強度
    低い染色濃度で、鮮明なイメージングが可能です。
  • 高い化学的安定性
    in vitro、in vivoにおいて長期間観察できます。
  • 迅速な染色
    従来品と比べ短時間で、細胞染色が可能です。
  • 細胞の均一な染色
    染色ムラの少ないイメージング画像が得られます。
  • 研究効率化
    実験費用と実験準備期間の大幅な削減が可能です。
レーダーチャート ①蛍光強度 FI 7500:5、市販品:3/②化学的安定性 FI 7500:5、市販品:2/③迅速染色 FI 7500:5、市販品:3/④均一染色 FI 7500:5、市販品:3/⑤研究効率化 FI 7500:5、市販品:3

分光スペクトルと適合するバンドパスフィルター

主要な近赤外バンドパスフィルター(Cy5/Cy5.5/Cy7)が使用可能です。

Sciforiem® FI 7500の分光スペクトル
Sciforiem® FI 7500の分光スペクトル
各バンドパスフィルターの励起、検出波長
励起波長(nm) 検出波長(nm)
Cy5 620±30 700±37.5
Cy5.5 650±22.5 720±30
Cy7 710±37.5 810±45

用途例

用途例1 多重染色

波長の異なる蛍光試薬との併用で多重染色が可能です

<プロトコル>
①96wellプレートで培養したHeLa細胞を固定化し、PBSで3回洗浄
②Phalloidin-iFlour(×1000)を添加して、60分(室温)静置後、PBSで3回洗浄
③FI 7500(0.2 μM)を添加して、30分(37℃)静置後、 PBSで3回洗浄
④Hoechst 33342(×1000)を添加して、15分(37℃)静置後、PBSで3回洗浄
⑤蛍光顕微鏡で観察

HeLa細胞の染色画像
HeLa細胞の染色画像

それぞれ緑、青、赤の疑似カラーで示しています。

用途例2 スフェロイド染色イメージング

表面観察(ライブ)

スフェロイド表面の細胞状態を鮮明に観察できます

FI 7500で染色することで、位相差画像では捉えにくい細胞の状態を詳細に観察できます。

<プロトコル>
①NIH/3T3細胞をU-bottomプレートに播種してスフェロイドを作製
②FI 7500(0.2 μM)を作成したスフェロイドに添加して、30分(37℃)静置し、PBSで3回洗浄
③蛍光顕微鏡で観察

スフェロイドの表面観察画像
NIH/3T3 細胞数 5000 cells
蛍光画像 位相差画像
蛍光画像
位相差画像

緑:Sciforiem® FI 7500(Ex: 620±30 nm, Em: 700±37.5 nm)
(株)キーエンス社製顕微鏡BZ-X800による撮影画像

断面観察

スフェロイド断面の細胞の状態を観察できます

スフェロイドをZ軸方向に撮影することで、その断面を鮮明に観察できます。

<プロトコル>
①FI 7500(0.2 μM)をNIH/3T3細胞に添加し、30分(37℃)静置後、PBSにて3回洗浄
②U-bottomプレートに染色した細胞を播種し、スフェロイドを作製
③共焦点顕微鏡で観察

スフェロイドの断面観察画像
蛍光画像 細胞数 5000 cells
ライブ 固定化および透明化
ライブ
固定化および透明化

緑:Sciforiem® FI 7500(Ex: 620±30 nm, Em: 700±37.5 nm)
(株)キーエンス社製顕微鏡BZ-X1000およびレーザー共焦点ユニットBZ-XLC1による撮影画像

用途例3 in vivo イメージング

皮下移植、腫瘍形成

腫瘍や移植細胞の長期間にわたるモニタリングが可能です

移植後21日目においても、蛍光シグナルが確認されました。

<プロトコル>
①FI 7500(0.2 μM)をHeLa細胞に添加し、30分(37℃)静置後、PBSにて3回洗浄
②染色した細胞をマトリゲルと混合し、マウスの皮下に移植
③in vivoイメージングシステムで観察

in vivoイメージング(皮下移植)
in vivoイメージング(皮下移植) 7日目、14日目、21日目

左皮下 :Sciforiem® FI 7500染色HeLa細胞
右皮下:未染色HeLa細胞(ブランク)
(IVIS Spectrum Ex: 710 nm, Em: 760 nm)
撮影協力:国立がん研究センター研究所 動物実験施設 葛西先生、中野先生

細胞追跡

生体内で細胞をリアルタイムに追跡することが可能です

FI 7500で染色したMSC細胞をマウス尾静脈に投与後、投与直後から臓器への集積をリアルタイムで追跡できることを確認しました。
また、ex vivoにより、MSC細胞が肝臓および肺に集積していることを確認しました。

<プロトコル>
①FI 7500(0.2 μM)をMSC細胞に添加し、30分(37℃)静置後、PBSにて3回洗浄
②染色した細胞をマウスの尾静脈から投与
③in vivoイメージングシステムで観察

in vivoイメージング(静脈接種)
in vivoイメージング(静脈接種) 直後、1時間後、3時間後

(IVIS Spectrum Ex: 710 nm, Em: 760 nm)

ex vivoにおける各臓器の蛍光強度
ex vivoにおける各臓器の蛍光強度 肝臓、肺、脾臓、腎臓における蛍光強度

撮影協力:名古屋大学 次世代バイオマテリアル拠点ARIM事業

蛍光法(FI 7500)による研究効率化

FI 7500は、生物発光法(ルシフェラーゼなど)と比較して、実験費用と実験準備期間を大幅に削減し、研究の効率化に貢献します。

実験費用の比較例

実験費用を約8~9割削減できます。

FI 7500で染色した細胞を使用した場合の実験費用と、ルシフェラーゼ発現細胞を購入した場合およびルシフェラーゼ発現細胞を作製(外注)した場合の実験費用の比較。FI 7500で染色した細胞を使用した場合は8~9割コスト削減。
実験準備期間の比較例

実験準備期間を99%削減できます。

FI 7500で染色した細胞を使用した場合の実験準備期間と、ルシフェラーゼ発現細胞を購入した場合およびルシフェラーゼ発現細胞を作製(外注)した場合の実験準備期間の比較。FI 7500で染色した細胞を使用した場合は30分。

用途例4 細胞増殖モニタリング

長期間安定して蛍光を発するため、より正確な細胞増殖のモニタリングが可能です

FI 7500で染色したMSC細胞をマウス尾静脈に投与後、投与直後から臓器への集積をリアルタイムで追跡できることを確認しました。
また、ex vivoにより、MSC細胞が肝臓および肺に集積していることを確認しました。

<プロトコル>
①FI 7500(0.2 μM)をMSC細胞に添加し、30分(37℃)静置後、PBSにて3回洗浄
②染色した細胞をマウスの尾静脈から投与
③in vivoイメージングシステムで観察

HeLa細胞を用いた増殖解析
HeLa細胞を用いた増殖解析

FCM測定 EX: 638 nm, Em: 712 nm

脂質ナノ粒子染色用試薬Sciforiem® FI 7510

Sciforiem® FI 7510は、リン脂質(POPC)に対して高い親和性を有しているため、リポソーム等の脂質ナノ粒子の染色に適しています。

分光スペクトルと共焦点顕微鏡観察画像

Sciforiem® FI 7510の分光スペクトル
Sciforiem® FI 7510の分光スペクトル
染色リポソームの観察画像
染色リポソームの観察画像

撮影協力:(株)Nikon、超解像共焦点レーザー顕微鏡システム AX R with NSPARCによる撮影画像

Sciforiem® FI 7510の染色原理

FI 7510が脂質二重膜の中に浸透し、リポソームを染色します

リン脂質濃度により脂質形態を制御した実験では、リポソーム形成時にFI 7510の蛍光が増大し、リポソームへの優れた染色性が示されました。

リン脂質の形態と蛍光強度の関係
(染色濃度 0.2 μM)
リポソーム形成時にFI 7510の蛍光が増大
POPCリポソームの染色における市販品Dとの蛍光強度比較

市販品Dと比較し、蛍光強度が約10倍高いです。

FI 7510は、市販品Dと比較し蛍光強度が約10倍高い。

染色濃度 0.2 μM、リン脂質濃度 200 μM

各脂質リポソームの染色におけるFI 7510の蛍光強度

各種膜成分において確実に染色が可能です。

POPCリポソーム、POPC:POPS=1:1リポソーム、POPC:DOTMA=1:1リポソーム、POPC:colesterol=3:2リポソームにおける蛍光強度

染色濃度 0.2 μM、リン脂質濃度 200 μM

技術概要

色材の吸収/蛍光波長制御技術×細胞相互作用官能基の導入技術

生体内に存在する主な光吸収物質は、水(2000nm以上)と血液中のヘモグロビン(700nm以下)のため、波長が700nmから2000nmの近赤外領域の光は、これらに吸収されることなく、生体組織に深く浸透します。当社では、ディスプレイやエレクトロニクス分野で培った「色材の吸収/蛍光波長制御技術」と、独自の「細胞相互作用官能基の導入技術」とを組み合わせ、より鮮明な標識機能、長時間発光維持、生体内安定性、光安定性といった新しい観察システムに適した特徴をもつ色材を開発しています。
本色材は、再生医療のみならず、バイオ医薬のスクリーニングや体外診断システムなどの幅広い分野への応用を目指しています。

生体組織による光吸収の波長依存性

  

出典: 山田幸生 (2025) .「診断技術のための生体医用光学入門」.東京大学出版会.

色材の吸収/蛍光波長制御技術

近赤外領域における吸収/蛍光を実現するため、色材の最もエネルギーの高い結合性軌道(HOMO:Highest Occupided Molecular Orbital)と最もエネルギーの低い反結合性軌道(LUMO:Lowest Unoccupided Molecular Orbital)のエネルギー差を小さくする色材設計を行いました。これらのエネルギー差を小さくするためには、例えば色材に電子供与基を導入し、HOMOのエネルギー準位を上げる手法が挙げられます。

細胞相互作用官能基の導入技術

当社は、様々な分野で培ってきた色材設計技術に、生体素材と強く相互作用する化学構造を組み合わせることで、「高い蛍光強度」、「均一な標識」、「優れた光安定性」を兼ね備えた細胞標識用近赤外蛍光色材の開発を実現しました。

販売代理店・お問い合わせ

本製品は、ナカライテスク株式会社よりご購入いただけます。

<販売代理店>

ナカライテスク株式会社
TEL:0120-489-552

Sciforiem FIシリーズ 購入サイト

<お問い合わせ>

artience株式会社 インキュベーションセンター
TEL:03-3272-0242