統合レポート2025 artienceグループの強み:成長地域へのグローバル展開
2025年6月27日 公開
本ページはAIを用いて翻訳しています。

インドビジネス戦略の現状と展望
TOYO INK INDIA PVT. LTD.
2025年はartienceグループが海外進出を始めてちょうど100年目にあたります。グループの強みの一つが、成長する海外市場を取り込むグローバル展開のチカラであり、すでに収益の6割以上を海外が占めています。
特に成長著しいインド市場は、高収益既存事業群の注力ターゲットです。最前線に立つTOYO INK INDIA PVT. LTD.(TIID)の会長中村尚稔と同取締役アヌージ・エイブラハムが、インドビジネス好調の要因と今後の展望について語りました。
市場環境
中村 成長するインド市場のニーズを見据え、TOYO INK INDIAは、2006年7月デリーに設立されました。印刷インキの輸入販売からスタートし、2008年にはデリー製造所を竣工して現地生産を開始しました。
印刷インキメーカーとしては、すでに競合他社も多い状況下でしたが、急速に業績を伸ばすことができたため、2014年にはデリー工場の5倍の規模のグラジャート工場も稼働を開始しました。粘接着剤、プラスチック用着色剤など、印刷インキ以外にも事業の幅を拡げ、総合化学メーカーartienceグループの一員として、高品質かつ競争力のあるブランドとして認知度を高めています。
アヌージ 社名変更をきっかけに、artienceグループは今後幅広い分野、特にグリーン&サステナブルに集中していくのだということを、さまざまな機会を通してお客様に説明しています。「アート&サイエンスはとても分かりやすく、浸透しやすい名前だ」という反応を多くいただいています。
TIID売上高の推移(現地通貨ベース)


競争優位性
アヌージ artienceグループの幅広く高い技術を活かし、単なる製品販売にとどまらず、お客様の現場に立ち会って製品ができあがるまで協働して改良を重ねていく取り組みを行っています。何度も訪問することで、信頼関係が強固となり、よりよい関係の構築につながっています。
中村 インドでもサステナビリティ貢献製品への関心が高まり、事業に取り入れたいというニーズが出てきています。これを捉え、営業・技術スタッフが一体となってお客様に提案し、技術面のサポートをしながら一緒に製品をつくり上げています。
アヌージ お客様の製品ができあがるまでをトータルソリューションとして提供しているからこそ、競合他社より価格が高くても、我々の製品を選んでいただけると実感しています。 このようなコンサルティングサービスをインド独自の取り組みとして「有償で」提供しています。お客様にサービスの対価をお支払いいただくことで、双方とも真剣度が高まり、お客様のビジネスが伸び、我々の事業も伸びていく。Win-Winの関係を築きながら、トータルソリューション・プロバイダーとしての認知度を高めています。
TIIDのビジネス戦略
国内シェア拡大と輸出事業拡大
- インド国内のシェア拡大に加え、周辺国・中東・アフリカへの輸出拠点として事業を拡大
- グラビア・オフセットインキを中心に拡大、粘着剤・ラミネート接着剤も現地工業化に伴い伸長


中村 当社のコンセプトはエンパワーメントに重点を置くことです。個々の社員が独自で動く働き方から、チームで動く組織へと変更し、各リーダーが自分たちで積極的に判断して、物事を進めるような体制を確立しています。
アヌージ 各自が自分のミッションをはっきりさせるために、年初に目標を決めて半期ごとにレビューし、人事評価に反映させています。自分が判断して動いたことの成果がはっきりと出ることで、社員のモチベーションは目に見えて高まってきました。
同時に、失敗を恐れずチャレンジすることを推奨しています。たとえ失敗しても、それを認識してさらに前進していく風土が醸成されています。
中村 会議の後に酒宴を催したり、記念日に社員とその家族も参加するイベントを行ったりなど、社員の親交を深める機会を積極的に持っています。社員の結束が強化され、さらなる意欲につながっているようです。
このような取り組みを通して、モチベーションが高く、かつ提案型の組織ができあがってきました。現時点で販売・技術・生産・調達・人事まで、非常に高いスキルを持つ社員がそろっています。我々の業績が非常に好調なのは、組織を支える優秀な人材あってこそです。
中村 発足当初は日本からの技術サポートを受けていましたが、現在は非常に優秀な技術スタッフがそろっており、事業ごとに技術担当部門を設けて、当社独自で改良や新規開発ができる体制になっています。
2023年比で3倍の業績を達成することを2030年の目標としていますが、既存の製品だけでは達成できませんので、30%は新しい製品で実現していきたいと考えています。
アヌージ 成長めざましいインドでは、生活上のニーズも激変しています。将来への土台づくりのためにも、現地のブランドオーナーさんとも連携しながら、ニーズに合わせた研究を当社独自で実施していきます。
アヌージ インドはかなりチャレンジングなマーケットであることは間違いありません。我々は先を見越して投資を重ね、土台をしっかりと構築してきました。それを礎として、カスタマーサービスを充実させることで、お客様の新しいテーマに対応していくことが、インドでの「感性に響く価値」だと思います。
中村 困ったことがあったときには気軽に相談できるような会社でありたいと思いますし、そういった声を聞くことで、新しいビジネスチャンスにつながり、ニーズを広げていくことができます。お客様の成功のために気軽に相談できる会社。それが「感性に響く価値」につながると思います。
長期のありたい姿
アヌージ インドにおける課題として、今後想定される環境規制を見越したマテリアル研究を推進していきます。これは2050年に向けた土台づくりでもあります。
中村 現在、我々は最高レベルの組織であると自負していますが、これを維持していくのは非常に難しい課題であり、継続的に対策をしていく必要があります。業績は順調に推移していますが、将来、伸び悩む時期が来たときにもさらなる発展を実現するために、環境サイクルや組織面も含めて、先取りして対応していきます。
事業面でいえば、現在最も需要が伸びているグラビアインキはもちろん、粘着剤・接着剤などまだシェアが小さい分野でも伸びしろは非常に大きいと考えています。ここをいかに伸ばしていくかに注力して取り組んでいきます。
アヌージ 急速に発展するインド市場で、お客様が求める価値を提供し続けることで、持続的な成長を実現していきます。


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