統合レポート2026 マテリアリティ実践を通じた経営価値の創造

2026年6月30日 公開

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新マテリアリティ運用初年度を振り返って

中嶋由元氏
取締役 品質保証・生産・環境、サステナビリティ、購買、物流担当
中嶋 由元

当社グループは、サステナビリティを経営と連動する基盤として位置付けています。この考えに基づき、経営計画artience2027/2030“GROWTH”の期間において、私たちの本分である「事業を通じて価値を創造し、お客様に提供すること」と「サステナビリティ活動を通じて価値を創造し、社会の持続可能性向上に貢献すること」が一体となった「経営価値の創造」を推進すべく、2025年2月にマテリアリティを再定義しました。
また現在、ESGに対していろいろと逆風が見受けられますが、当社グループとしては、これまで整理してきたマテリアリティの方向性を大きく変更する考えはなく、社会のニーズを的確に把握しその精度を高め成長戦略と結び付けることで、実効性の高いサステナビリティとしていきたいと考えています。
加えて、マテリアリティは一度定めて終わりというものではなく、事業の進捗や環境変化を踏まえ、社会からの要求水準が年々高まるなかで、継続的に見直し、検証しながら進めていくものだと考えています。市場からの要求として特に大きいのが、EV関連をはじめとする事業構造の変化に対するステークホルダーからの確認です。サステナビリティは、事業と一体であるため、事業構造に変化があれば、サステナビリティの取り組みも変化していくのは自然なことだと捉えています。

新マテリアリティ運用の初年度である2025年度、「製品・サービスを通じて『感性に響く価値』を提供し将来の持続可能性に貢献する」というテーマにおいて、サステナビリティ観点はメーカーとして生き残るうえでの必須条件になってきていると痛感しました。戦略的重点事業群をメインに、サステナビリティ貢献製品のラインナップ拡充や、売上増大をマテリアリティの目標に掲げており、投資判断においてもこの点の見極めは優先事項になっています。そういった意味でも、マテリアリティを見直したことで、サステナビリティと経営の一体化がより進んだ1年だったと認識しています。

マテリアリティ推進を通じた「感性に響く価値」創出を目指す

私は、マテリアリティの実践にあたって、サステナビリティと経営は不可分であるということを常に確認しながら、意思決定に取り組む必要があると考えています。正式なサステナビリティ担当としては着任したばかりですが、これまでも製造所での事業運営を通じてサステナビリティに関わってきました。営業・市場対応の経験を通じて、お客様や経営者との対話のなかから、市場がどのようなサステナビリティを求めているのかを体感してきています。
投資判断においてもESGへの影響評価は必須となっており、事業戦略との整合性を確認し、意思決定のプロセスにしっかりと組み込んでいかなければなりません。当社では多くの製品分野でサステナビリティに関する取り組みを行っていますが、その表現や発信は十分ではなく、どのようにわかりやすく伝えるかについては、さらなる工夫が必要だと考えています。
現在、マテリアリティの進捗確認とフィードバックを進めているところですが、戦略に即してリスク/機会を見極め、次の中期経営計画にどのように統合させていくかが課題だと考えています。

経営判断において常にサステナビリティの視点を持つことは、サステナビリティ担当役員としての私の責務であり、この視点をどのように定義していくかが重要な課題です。さらに、Brand Promiseに掲げる「感性に響く価値の創出」においても、こだわりたいのはものづくりの現場マインドを持った人材です。マテリアリティの実践を通じて、経営の意思決定とともに現場の意思決定の精度を上げ、その過程でサステナビリティ視点と経営視点を併せ持つ現場人材の育成を進めることで、経営価値に直結する組織づくりにつなげたいと考えています。

社名であるartとscienceの融合という独自の強みを発揮していくことが私たちの価値そのものであり、「感性に響く価値の創造」を通じて社会課題の解決に貢献できるのだと考えます。

統合レポート

グループマテリアリティ2025-2030