中期経営計画artience2027|統合レポート2026 人的資本戦略:グローバル全体での人材力向上
2026年6月30日 公開
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人的資本戦略の進捗

関野 純二
当社グループの人的資本戦略は、経営計画artience2027/2030“GROWTH”と密接に関わっており、人的資本はGROWTH実現を遂行するための経営資源と捉えています。とりわけ、重要な経営課題である「事業ポートフォリオの変革」をサポートする戦略を展開したことで、人的資本戦略の3本柱について、2025年度は一定の成果を挙げたと認識しています。
最重要と位置付ける1つ目の柱「事業成長を創出する人材の確保」についてですが、戦略的重点事業を中心に、また高収益既存事業についても技術者の採用を計画的に進めています。特に、技術開発力や生産性向上を図るためには、海外の優秀な人材の獲得が必須と考え、2025年度はインドでの技術者採用を開始しました。インド人材の採用については、個々の能力の高さはもちろんのこと、インド市場は今後も成長が見込めるうえ、急成長が予測されるアフリカへの展開拠点としての重要性も高いためです。将来的には技術者に留まらず、マネジメントに携わる人材獲得も視野に入れています。
2つ目の柱「社員の挑戦と成長の促進、挑戦する風土の醸成」の進捗についてご説明します。2024年度にスタートした新人事制度によって、個々の能力や成果、挑戦する姿勢をより重視した評価体系へと移行しました。これを推進するために教育体系を「growth field」という名で再構築し、各階層に求められるリーダーシップや問題解決力などを身に付けてもらいます。また、中堅層からシニア層を対象にした新たな「growth+(グロースプラス)」というリカレント教育も実施し、社員のモチベーションやエンゲージメント向上に一定の効果を挙げています。グローバル人材の強化については、今後、日本人スタッフがより積極的に海外にチャレンジできるよう、育成のあり方が課題となっており、「growth field」の多様なプログラムを体験しながら、さまざまなスキルや考え方を身に付けてもらうことを目的に内容を充実させているところです。
現在、人材育成とともに生産性を上げていくためのKPIを策定中です。生産現場ではスマートファクトリー推進の一方、一人ひとりの能力を上げることで生産性を向上させる取り組みを強化しています。それが将来的にROICの改善につながるものにしたいと思います。
3つ目は「多様な個の力を活かす環境づくり」です。さまざまなバックグラウンドを持つ社員一人ひとりが活躍できる環境を整えています。社員の男女比の偏りは当社の長年の課題でしたが、2026年4月の新卒採用では女性が54.2%で前年度比9.2ポイント増となり、ここ数年の成果が徐々に表れてきていると受け止めています。
人的資本戦略の全体像
artienceグループは「人」をすべての企業活動の中核に据えて起点とし、事業を成長させていきます。社員一人ひとりが最大限に力を発揮することで、グループ全体の企業価値を最大化させます。


artience2027人的資本戦略 取り組みごとの定量把握方法
| artience2027人的資本戦略 | マテリアリティテーマ | 具体的な取り組み | 定量把握方法 |
|---|---|---|---|
| 事業の成長を創出する人材の確保 | 人的資本 DE&I |
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| 社員の挑戦と成長の促進、挑戦する風土の醸成 | 人的資本 |
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| 多様な個の力を活かす環境づくり | 人権尊重 DE&I 健康経営 |
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エンゲージメント向上に向けて
近年、投資家の方々からもエンゲージメントスコアについて、よくお問い合わせをいただきます。2025年度のエンゲージメントサーベイは、約5,500名(前年度より2,000名増)を対象に実施し、総合スコアは83と前年度より7ポイント向上しました。調査結果からは、経営理念への共感、上司との関係性、誠実さなどが強みとして挙げられる一方、無駄・不要なルールが排除できていない点や、部門間の連携などが課題として指摘されています。結果を各部門にフィードバックし、課題がある部門には、自ら改善策を立案・実行していく取り組みを促しています。
エンゲージメントの向上には社員の挑戦意欲を大切にする仕組みを定着させていくことが重要です。今後もキャリアチャレンジ制度などを効果的に運用し、社員の新たな取り組みやチャレンジを評価する仕組みを整備していく計画です。
人事の責任者として、海外を含めた人材強化を目指す
artienceの経営哲学である「人間尊重の経営」とは、社員一人ひとりが力を発揮し、人材の力を最大限に引き出すことだと考えます。これを実現するために、人事制度や多様な人材教育プログラムを整えていくのが私の職責と考えています。海外事業の成長に伴い、海外子会社の従業員数も増加しており、それらの人材育成の制度、仕組みなどもしっかりと構築する必要があります。今年度は新たな取り組みとして、海外子会社においてここ数年で役員に就任した社員を日本に集め、役員向けの研修を実施しています。加えて、海外の人事部門のマネージャーや管理職による会議開催を予定、各地域から期待以上の応募が来ています。この会議では、エンゲージメントサーベイの実施や地域間での人材ローテーションをどう進めていくかなど議論を深めていきます。
今後も引き続き、人事の責任者としてさまざまな施策を展開し、グローバル全体での人材力向上を目指していきます。