統合レポート2026 artienceの強み:オープンイノベーション
2026年6月30日 公開
本ページはAIを用いて翻訳しています。
Incubation CANVAS TOKYO

髙橋 隼人

2025年10月に開設した「Incubation CANVAS TOKYO」(以下ICT)は、私たちにとって大きな転機となりました。ICTは、本社を置く東京・京橋エドグラン内のスペースを活用し、日本初のマテリアル(素材)分野特化型イノベーション拠点として整備したものです。素材産業に関わる多様な企業や組織が集い、共創や交流を深めるハブとして運営することで、artienceグループのオープンイノベーションを支えています。
もともと当社では、新規事業の創出にあたり、他社との共創をいかに拡げオープンイノベーションを加速させていくのかが一つのテーマでした。私自身さまざまなマッチングピッチにも参加してきましたが、素材・化学領域での出会いは決して多くはなく、であれば自らその場づくりをできないかと考えたのが出発点です。
ICTのロゴには、白いキャンバスに多様な色が重なり合うイメージを込めました。「日本の、東京の、あの場所に行けば、マテリアル分野の新しい技術や情報、人が世界中から集まっている」と誰もが想起するような場づくりを実現し、世界の素材産業をリードしていくことが大きな目標です。それが、新たな事業創出につながる循環を起こし、当社の価値創造にも還元されていくと信じています。
ICTの本格稼働に先立ち、準備期間の1年間はスペースを無料開放し、約300件のイベントを通じて目指す方向性を探ってきました。現在は素材・化学領域に関わる約30社が「会員」として参画しています。素材・化学メーカーなどの事業会社とスタートアップがほぼ半数ずつ、なかには日本に拠点を置く海外企業も含まれ、製品発表や定期イベントの場としての活用が進んでいます。また、アカデミアやベンチャーキャピタル、イノベーション支援企業など約25社を「パートナー」と位置付け、研究発表・人材育成・スタートアップソーシングなどのプログラムを継続的に実施いただいています。今後、100~200社へと会員数を拡大していく計画です。
ICT開設を通じて、社内にも変化が生まれています。「自社の技術をどう使うか」という発想に加え、「自社にない技術を持った他社と何ができるか」という視点が育ち始めました。スタートアップとの協業も、徐々に具体的な検討へと動き出しています。
現在は出会いの場としての機能強化を優先する段階ですが、将来的にはパートナー企業との連携のもと、アクセラレータープログラムなどを充実させ、社会実装に注力していきます。社内外の知見や技術を結び付け、より効果的に市場ニーズに応えていくことがICTの長期的な役割です。
インキュベーションセンター発足から3年が過ぎた今、ICT開設に留まらず、事業面でも具体的な成果が見えてきました。次世代事業のテーマの一つである半導体用材料は、一定の売上を立て、当センターを“卒業”し、全社プロジェクトへと移行しました。ライフサイエンス分野は引き続き育成段階にありますが、バイオ創薬用材料は、中長期テーマとしてターゲットを絞り、着実に前進しています。また、2024年度に社内提案制度「IPPO」でグランプリを受賞した「省エネ推進ソリューション」は、事業化により2025年度には目標売上を達成し、現在はスケール拡大を目指す段階です。
事業テーマ創出を支えるものとして、「IPPO」への応募数も増加しています。大抵このような社内プログラムは、回を重ねるごとに応募数が減るものだそうですが、2024年度の114件から2025年度は204件へと大きく伸びました。当初は、20代から30代の若手からの応募が多いのかと想定していましたが、実際には、世代を問わず各年代から手が挙がり、なかには50代、60代の社員からも応募があったのは嬉しい誤算でした。全社的に育ってきた挑戦する風土をさらに強めていくため、2026年度からはグループ人事部と連携し、さまざまな階層の研修プログラムにもイノベーションマインドの醸成を組み込んでいます。
インキュベーションセンターという土壌で生まれた半導体用材料のビジネスが、センターを卒業して事業部門に移管されたように、これからもこういう「種」をどんどん増やしていきたいと思っています。社内提案の仕組みである「IPPO」からもそうですし、ICTからもそうですし、いろいろな角度から種を増やしていくことができればいいな、と考えています。それが芽吹いて「若木」として事業部門に引き継がれたり、新たな子会社が設立されたりということにつながれば、それこそがこのインキュベーションセンターの目標達成ということなのだと思っています。
オープンイノベーションは短期間で利益を生むものではありませんが、10年先、20年先も当社が持続的に成長し続けるために不可欠な基礎体力となると確信しています。事業部門が今日を支え、R&D部門やインキュベーションセンターが明日に備える。オープンイノベーションはこの「明日に備える」活動の一部です。そうして今後もさまざまなチャレンジを重ね新たなビジネスを生み出すことで、私たちartienceグループは素材分野で世界をリードする「社会から憧れられる企業」になることを目指します。社員一人ひとりが「この会社で働けてよかった」と誇りを持てるように、インキュベーションセンターは変革の起点であり続けます。
日本軽金属ホールディングス株式会社
執行役員 マーケティング&インキュベーション統括室長 林口 貴志 様
ペガサス・テック・ベンチャーズ
創業者兼CEO アニス ウッザマン 様
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