カラーレジストのしくみ
カラーレジストとは
カラーレジストとは、カラーフィルタなどに使用される色材をベースとしたインキのことです。「レジスト」とは、英語で「抵抗」を意味し、そこからおもに工業用途で製品に使用される「保護膜」を指すようになりました。これと同じく物理的・化学的処理に対する保護(抵抗)能力を持つインキを、カラーレジストと呼びます。カラーレジストはレジストインキとしても知られています。
カラーフィルタは、ガラス基板上に、赤・緑・青(RGB)の3色のカラーレジストが、特定のパターンで塗られてできています。ただし各色の点(サブピクセル)は非常に小さいため、特定の部分だけを狙って着色することができません。
このとき、カラーレジストの持つ性能が役立ちます。カラーレジストを全面に塗工し、「除去したい部分」をマスクし、「残したい部分」だけに紫外線を照射して硬化(不溶化)させることで、現像液によるエッチング後に特定の部分のみカラーレジストを残すことができ、RGBのパターニングが可能となります(※ネガ型レジストの場合)。
カラーレジストの成分
カラーレジストは、色材に樹脂や溶剤などを加えてできたペーストに、紫外線に対する重合反応を引き起こすための光重合開始剤や各種添加剤を加えてつくられます。
レジスト成分 | 機能 |
---|---|
色材 | ■分光特性付与 通常2種以上を混合して用いる(主色材&調色用色材) |
樹脂 | ■顔料表面への吸着による分散安定性付与 ■基板に対する密着性付与 ■アルカリ現像性付与 |
溶剤 | ■粘性、乾燥性の調整 ■コーティング適正付与 |
モノマー | ■重合・架橋反応による不溶化(光硬化性付与) |
光重合開始剤 | ■UV照射部の重合反応開始(光硬化性付与) |
分散剤 | ■色材の分散安定性付与 |
各種添加剤 | ■塗布欠陥を防止する(レベリング剤など) ■レジストの保存安定性付与 |
当社のカラーレジスト
顔料の微細化と分散技術
FPDなどのエレクトロニクス用の色材には、光の高い透過率が求められます。それを実現するためには、顔料をナノ単位で超微細化する技術が欠かせません。当社では、用途に応じて顔料のサイズを自在に加工することが可能です。
また、透過率を向上させるためには、顔料粒子を均一に分散させる技術も欠かせません。当社では、顔料粒子の表面に特殊な加工を施すことにより、顔料が沈殿しないように液中に均一に分散させたまま、安定化させることが可能です。これにより、良好な流動性(基板への塗布性能の向上)と高い透過性をもつ、高機能のエレクトロニクス用色材をご提供しています。
新規色材(OPTLION® GREEN)の開発
OPTLION® GREENは、当社が開発したまったく新しい色材です。現在「OPTLION® GREEN 8880」と「OPTLION® GREEN 8890」の2種類があり、これらをカラーフィルタなどに使用することで、より鮮明に、より明るく、本物の自然の美しさを画面上に再現できます。また、OPTLION® GREENの使用により、色の再現域が大きく広がり、より繊細で、鮮明な色彩表現が可能になります。
OPTLION® GREENの画面イメージ
OPTLION® GREEN 使用パネルの色域
お問い合わせ
東洋ビジュアルソリューションズ株式会社
TEL:03-3272-3457